さて、細々と読んでた文庫版の銀英伝が一応完結。外伝もでるのかしらね。恥ずかしながらこの作品今まで漫画やら本・アニメと沢山出ていたのにも関わらず今回の文庫化で初めてまともに読ませて頂きました。お陰で漫画の愛蔵版を買ったり、DVD見たいけどBOX買ったら偉い事になると本気で悩んで見たりしたんですが。
当然といえば当然ですが拙者はヤンご贔屓でしたので、ヤン提督が死去されてからは残念ながらやっつけ仕事な読み方になってしまいました。ユリアンではやはり華がないし、話も好敵手・皇帝の方にシフトしてしまったという事もある。
ヤンがいなくなり斜め読みになりそうなのを押さえてくれたのはシェーンコップ親子。元々シェーンコップは嫌いではなかったんですが無駄にぎこちないこの親子が微笑ましくてとても好きです。皇帝軍で言えばウォルフとオスカーコンビですかね。不思議とこの作品はコンビで好きだというのが非常に多かったと思われます。
スペースオペラ系のSFは実は余り読んでいない。SFは好きなんですが基本的にロボットモノを好むのでアシモフとか、この前読んだバーチャルガールとかそんな本が本棚には多い。クラークなんかも読みますがね。本格的に宇宙でドンパチするのは読んだ事がない様な気がします。
銀英伝中々名前を覚えられなくて苦労しました。ウォルフとオスカーを暫し混同していたし、未だに正確に拙者が名前を覚えているキャラは少ないのではないかと思います。しかし漫画を読んだから何となくビジュアル的なイメージと連動して覚える事が出来本当にありがたかったです。ヤン以外で一発で名前を覚えたのはムライさんとローゼンリッターのクラフト位です。なんという東洋系(笑)というか、クラフトなんか誰も知らないんじゃないかと思いますけどね。漫画ではチャイナ系の非常に好みの顔だったので一発で覚えたんですが、最終巻で殉職しました。ひっそり泣きました。死んだシーンもなかったんですが、シェーンコップが名前を呼んだときに返事がなかったので死んだんじゃないかと思われます。せつねぇ。
正直途中からガンガン人が死んで脳内の人物整理がおっつかなかったんですが、ひっそりと応援してたメルカッツさんが意外と長生きして嬉しかったとか、ポプランが生き残ったのが意外だったとか、シェーンコップの最後号泣だったとか最終巻は最終巻でヤン提督がいないなか盛り上げていただきました。軍務尚書は多分人気なかったと思うんですが、拙者はわんこのエピソードでときめきました。遺言でもわんこの事言っちゃう辺り地味に目頭が熱くなった。正直この手の人間って必要だと思うんです。憎まれ役で損な役回りで、最後は誰にも悲しまれる事なくひっそり消え行く人。
とまぁ、楽しませて頂きました。拙者が陳腐な言葉で語るまでもなく名作だと皆さん知ってるとは思うんですが、面白いですよね。もう少し若い頃に読んでたらきっとスペースオペラも無謀に創作していたに違いない。今は大人になってスペースオペラを書く難しさを脳内で予想してしまいとてもじゃないが書く気になりませんが(笑)こんなに沢山の個性的なキャラを動かせないし、小物の悪役を考えるのが意外と難しい。
ただ、地球教に関してはもうひと波乱あるかなぁと思ってたのでちょっと尻すぼみだったと…まぁ、ヤン暗殺した時点で彼等の見せ場も役目も終わってたのかもしれませんが(笑)
旦那は前に読んだ事もあったしDVDも見てたらしいのですが、随分お好きのようで拙者が本を読み終わると決まって色々お話したりします。でもうっかりネタばれしたりするので苦笑いしますがね。どちらかと言うとネタばれ腹が立たないのですが、ヤンが暗殺されると聞いた時はその後に話読めるのか心配しましたよ。三国志で趙雲が死んだ後の話は余り正確に拙者が覚えてないのはその辺のキャラ萌えで本を読んでいたという切ない現実の所為でしょうね。北方版は流石に最後まで水滸伝も三国志も読ませてもらいましたが。本当筆者の力量が凄い。シナリオでグイグイ引っ張っていく。銀英伝も若干しょぼくれましたが結局この戦争の結末が気になって最後まで読みましたがね。
そうか、拙者不良中年も好物だったのか。シェーンコップの色男系は今まで余り嵌らなかったけど、不良中年なら拙者の射程にはいるぞ。とカリンちゃんが親父の事を不良中年呼ばわりしてるのを見て気がつきました(笑)