*藩国夏祭*

 今年は猛暑のたけきの藩国。四季折々の風物があるこの藩であるが今年の暑さは尋常ではなく、熱中症で倒れる人間続出、藩国もなんだかんだでX回目の滅亡の危機と全体的にぐったりの傾向である。
 そんな中少しでも藩国を盛り上げようと摂政である高末志水はいつも通りの褌一丁で執務室に篭り脳みそフル回転で企画を考えていた。夏祭りでも開催して少しでも藩国全体の雰囲気を盛り上げて活力に出来ればと思ったのだが如何せんメインのイベントが思いつかない。面白く、かつたけきの藩国らしい企画をやってみたかったのだ。因みに『第1回たけきの藩国褌デザインコンテスト』は暑さとヤガミの所為で機嫌が悪かった藩王に『死ねばいいと思うよ』と一蹴され企画倒れになってしまった。たけきの藩国が誇るものは後ソックスと眼鏡しかないという絶望的な状態の中摂政はぐったりしながらそよそよと機械的に風を送る扇風機の前で突っ伏した。

「生きてますか摂政様」
「俺はソックスがある限り生き続ける…っと、レイラインか。どうした?」
 摂政の執務室を訪れたのは今は藩国内で希少種となった職業・ドラッグマジシャンの忍潮井レイラインであった。藩国内で普段何をしてるのかは謎であるがふらっと現れては藩国忍者の砂神時雨や他の藩国絵師と褌のデザインをしたり向日葵妖精を捕まえたりときゃっきゃとイベント企画しては楽しい時間を過ごしていたりする。ある意味藩国のイベントの神様的存在である。
「二郎様に夏祭りするって聞いたんですよ。メインイベントは摂政様が企画すると聞いたので様子見に来ました」
 恐らく同じ様に部屋に篭って夏祭りの屋台やヒーローショーの方の企画をしている二郎真君に聞いたのであろう忍潮井は期待の眼差しで摂政を見る。どんなメインイベントを考えてるのか聞きたいらしい。
「いやね。それがさ、企画中々通らなくてさ。皆が楽しめるイベントって難しいよなー。藩王様も機嫌悪くて中々OKくれないしさ」
 藩王が機嫌が悪いのも仕方がない所である。なんといっても藩国の存亡がかかっているのだ。寧ろこんな時に夏祭りとかふざけてるのかと怒らない方が奇跡かもしれない。
「まぁ、滅びた時は滅びた時で仕方ないですしねー。何回目か知りませんが。皆が楽しめる企画って言うのは参加者も見る方も楽しいって意味で?ミスコンとかどうですか?夏の定番でしょう」
「ミスコンなー。最近なんか色々規制が厳しいからなー」
 コンテスト形式というのは確かに参加者も見学者も楽しめるので良い企画だがミスコンは最近何故か廃れてきてるし定番過ぎて新鮮味がない。余りたけきの藩国っぽくないのだ。
「…まぁ、そんな前振りはおいておいてですね。ちゃんと考えてきましたよ」
「マジでか!さすがイベントの神様忍潮井レイライン!!!」
 にんまり笑う忍潮井の片手に握られているのは恐らく丸められたポスターであろう。摂政は期待の眼差しでそのポスターを受け取ると勢い良く開く。

――――性別逆転祭り・ひと夏限りの経験だものはじけちゃっていいじゃない――――

「神光臨!スゲー!レイラインお前やっぱり天才だ!!!!!!もうはじけちゃおうぜ!」
「色物藩国ですからコレくらい良いでしょう。性別転換コンテストとかやってですね、コスプレとかのノリの延長なら藩王様もOK出すんじゃないでしょうか。女装・男装どんとこいな感じで」
 大真面目に言う忍潮井と大興奮な摂政は藩王への企画書を作る為に色々と細かい打ち合わせをしてゆく。イベント会場自体男装・女装なOKノリにして、その中で希望者はコンテストエントリーしてもらう。そして投票。熱狂的な夏の祭典の出来上がりである。無論イベント前には商店街のブティック等に協力を依頼し、その手の服を企画組んで仕入れてもらうとか、簡単な化粧講座を開いてみるとか事前の準備まで盛り込んで分厚い企画書を2人でせっせと作成してゆく。仕事をこなすときのテンションは高ければ高いほど良い。そして複数人でテンションを維持するのが望ましい。そのお約束を2人で維持し、夕方から始まった企画会議は深夜に及び、明け方に漸く企画書がその形をなした。

「俺真面目に仕事するのがこんなに楽しいって初めて知ったよレイライン…」
「そうですか私も楽しかったです」
 徹夜でヘロヘロになりながらもやり遂げた漢の顔となった2人は熱い握手を交わしその場で別れた。忍潮井は家に帰り摂政はこの企画を藩王に持ち込むのだ。
 後に忍潮井はその場のテンションに身を任せた企画が藩国どころかNWを巻き込む大イベントに発展した事に頭を抱えたが(NWでの藩国内お祭り企画として提出が決定したのだ)それは又別のお話である。

***

「…まぁ、良いんじゃない?褌コンテストよりは」
 藩王は摂政にしてはまともな企画と判断して『許可』と判子を押すとさっさと準備に取り掛かれと命令を出し摂政を部屋から追い出す。無論摂政にしてはまともな企画というだけで、普通の基準からすれば奇天烈な企画には違いない。しかし藩王としても妥協点を見極めないと締め切りが迫って自棄になった摂政が更にアホな企画を強行するというリスクがあったのだ。
「…あ、この絵忍潮井か。砂神じゃないのね今回」
 摂政が企画書と一緒に持ってきた忍潮井作成ポスターを眺めた藩王は苦笑する。大概藩国のイベントは忍潮井・砂神の思いつき企画が多いのだ。ただ現在イベント右大臣・砂神時雨は藩国ACEノギの誕生日を祝う為に藩国メンバーから預かったプレゼントを抱えウキウキと出かけていったが、帰還後果てしなく沈んでそのまま彼岸に行ってしまったかのような様子で此処数日過ごしている。何があったかは皆知ってるが誰も触れないという微妙な雰囲気のまま放置。鬼のような扱いだが結局色恋沙汰に他人が口を出してもろくな事にならないのだ。さすが恋愛に呪われた民たけきの藩国である。
 因みに呪われ筆頭は藩王であったりもするのだが、自分や相手を呪うより藩国存続の危機を回避するほうが先決なので砂神のようにのんびり沈んでいられないだけである。
――――まぁ、アレですよ。滅ぶ時も笑って滅ぶのがたけきの藩国でしょ。
 誰がそう言ったか覚えていないが沈み込むのは自分たちらしくない。最後まで諦めず足掻いて笑って過ごそう、それでこそたけきの藩国じゃないかと国民は言う。だから夏祭りをOKしたのだ。
「あーでもコンテスト直後に滅んで『それがたけきの藩国最後の祭典でした』って歴史書締められるのちょと厭だな」
 そう呟いた藩王は大きく伸びをして生き残る為に打てる手を捜し始めた…が後に祭りを摂政たちに丸投げした為に異常なテンションで盛り上がりを見せた性別転換祭りに呆然とするのであった。

***

 一方追い出された摂政はご機嫌で企画が通った報告を同じく夏祭り企画を立てている二郎真君にする為に彼の執務室を訪れる。
「…本当に通ったんですかコレ」
「ちゃんと判子あるだろう。やだなぁ二郎。働きすぎて視力落ちたんじゃねぇ?」
 徹夜明けのハイテンションでゲラゲラ笑う摂政を横目に二郎真君は会場の手配を一部変更することにした。女装・男装闊歩する会場に更衣室設置やトイレ案内書き直し等(生物学上男性用等と注意書きを足す)細かい仕事が増えたのだ。通ってしまったものは仕方ないと速攻で諦めたのだ。この辺りは非常に大人な折り合いの付け方をする彼のいいところであり、ならばさっさと仕事を片付けてしまった方が建設的であると次の手を打ってくる。
「まぁ、良いですけどね。ポスターは忍潮井さんのコレこのまま使うんですか?」
「そそ。いい出来だろ?他にもだな、商店街への協力とか化粧講座の案内とか色々作るけど」
 その辺は多分藩国内で唯一公認で毎日女装で藩内を闊歩しているTAKAに協力してもらう事になるである。寧ろその手のプロフェッショナルなのだから張り切ってもらわねばならない。お祭り好きな性格なので多分快く了解してもらえるであろう。
「で、もしもコンテスト出場者が集まらなかったらどうするんですか?」
 テンションに身を任せがちな藩国内で常に正論を提示し、最悪の事態を常に考えるのが二郎真君のお仕事である。彼は自分の企画成功を信じて疑わない摂政に念の為に釘を刺した。参加者が少ない企画ほど切ないものはない。たとえ屋台やヒーローショーが盛況でもメインイベントがしょぼい出来だと全体で見ればマイナスであろう。
「ハハハ、馬鹿だなぁ二郎。俺達が出ればいいじゃんか。出仕組みが出れば結構な人数だぞ!昔ならいざ知らず今はメンバー20人越えてるしな!寧ろ進んで俺等が出るべきだと思わんか!」
「え?何?それ私も入ってるんですか?」
「…こういう時こそ俺達が先陣切って盛り上げるべきじゃないか二郎。藩国が潰れるかもしれないという不安を抱えた藩国民達を楽しませるのが俺達の出来る精一杯の事だと思う。いやいやマジで」
 摂政の畳み掛けるような説得に二郎真君は小さく溜息をつくと締め切り前に参加者が少なかった場合は出仕組みの参加をお願いしてまわろうという話で一応納得してみせる。無論最悪二郎真君自身が晒し者になるのを覚悟せねばならないが摂政が言う事にも一理ある。先陣切って盛り上げるべきであるという一点に関しては共感するものがあったのだ。いくら外見が褌一丁でちゃらんぽらんに見えても高末志水は摂政として最低限なすべき事は心得ている。だからこそずっと摂政という役職を続けているのだ。
「どうします?コンテスト協力関係はTAKAさん、予算面はひわみさん。あとはヒーローショーはコダマさんに頼むとして、屋台関係は他のメンバーに任せて良いですかね?」
「え?ヒーローショーは砂神か月光だろう。あいつ等マニアだし。ていわいも結構好きだったなぁ」
 二郎真君のだした割り振りの一部に摂政は首をかしげる。コダマも嘗て藩国内公認ヒーロー『ドラゴレンジャー』メンバーとして活躍したのは事実であるがマニア度数で言うなれば別の人材が好ましいと摂政は思ったのだ。
「マニア過ぎて懲りすぎるんですよあの人たちは。多分予算を湯水の如く使ってひわみさんに絞め殺されますよ。コダマさんなら予算内でやりくりしてくれますしね。まぁサポートでつける分には構いませんが砂神さんは多分…」
「あー。死んでるしな。生ける屍だありゃ。腹括ってピドればいいのに。アイツ変な所で頑固だからな」
 仕事の割り振り票に2人で書き込みをしながら生ける屍の話をする。野郎とトキメキ小笠原を満喫したいのに女になるのは厭だと意味不明の事を大真面目に言う砂神には2人とも本気で理解が出来ないのだ。今流行のボーイズラブだろうという話も出たが砂神・ノギ共に、ボーイズという年齢でも共にない。寧ろオッサンズラブである。トキメキ小笠原に言ってきますと言う割りに帰ってきて何してきたと聞けば釣りしただのサル買って来ただの飲み屋いっただのグダグダだったりするので目指す方向が全く理解出来ないのだ。
「折角の夏祭りだし藩国ACEも参加してもらえればいいんだけどなー」
 砂神の話をして思い出したように摂政が言うので二郎真君は思わず苦笑する。現在藩国滞在ACEは4名。しかしながらヤガミ・雷蔵行方不明。時折不在になる金。留守番組はいつもノギとある意味滞在してても中々お目にかかれないのである。
「まぁ、雷蔵ちゃんいれば女装コンテスト1位でしょうけど屋台の発注は3倍にしとかないと駄目でしょうね。金さんなんかは真面目そうですし置いてけぼりになるんじゃないですかね…ノギさんは意外と楽しむかもしれませんが女装とか遠慮して欲しいですね」
「うわー。二郎意図的にACE抹消したな今」
「え?他に誰かいました?」
 摂政の突っ込みに怜悧な笑みで返事をする二郎真君。
 藩国の核であり、死亡=藩国滅亡という大リスクを背負っているくせにいつもプラプラ危険地帯に出向き藩王のご機嫌を損ねているACE・ヤガミに関しては意図的に脳内抹消したのだ。というよりは、藩国内でヤガミは藩王専属過ぎて他のメンバー達の話題に上がらないのが実情である。気がついたら行方不明だったとか、気がついたら帰ってきたとかそんな事が多いのだ。そもそも藩王がダンスパーティー会場で抹殺されかけたのを勝手に拾ってきたようなモノなのだから藩王が最後まで面倒を見るだろうとペットなノリで誰もがたかを括ってる。お陰でつい最近まで藩王以外ヤガミ行方不明を知らず、藩国滅亡の危機すら気がついていなかったのだ。よくよく考えるといい加減を通り越して恐ろしい藩国である。
「まぁ、アレは藩王任せだしなぁ。俺等の感知する所じゃねぇか。そんじゃ、ほか打ち合わせとかあるなら今のうちしとこーぜ。俺も準備あるし」
「珍しく仕事やる気ですね」
「早く仕事終わらせて俺もコンテストの出場準備しねぇとな。優勝商品とか豪華にしようぜ!俺張り切るし!」
 やる気満々の摂政を見て二郎真君は小さく溜息をつくが仕事を早く終わらせようという気持ちを萎えさせない為にも今のうちに全部片付けた方が得策だと引き出しから夏祭り用資料を引っ張り出しどんと机に置くと早速手を付けられる仕事から割り振りをはじめる。

***

「まぁ、素敵ですわ!」
 キラキラと目を輝かせ喜んだのは長い髪をこの暑さの所為か珍しく束ねたTAKAであった。藩国公認の女装癖の持ち主であるが見た目が麗しいので今のどこからも文句が出ずいまや看板娘な扱いとなっている。それとは逆に口をぽかんと開いたまま動けなくなったのは予算担当に割り振られたひわみで、ヒーローショー担当のコダマゆみは暫く沈黙した後に笑い出した。
「という訳でお仕事の割り振りお願いしに来た。屋台に関しては二郎が人を集めてるんで暇そうな人材個人で確保してお仕事宜しく!」
「いやいやいやいや!!!!!なんですかコレ。女装コンテストとか人集まるんですか!?」
 危うくビジー状態のまま摂政に流されそうななったひわみは慌てて言葉を発する。
「女装コンテストじゃない。性別転換コンテスト」
「一緒じゃないですか!」
 丁寧に訂正した摂政にひわみは反射的に突っ込みを入れるが当の摂政は大丈夫だの一点張りである。無論人が少ないときは俺等がでる!という話を二郎真君としたという事も一応説明はするが常識人の部類に入るひわみは納得がいかないようである。
「予算!どれくらい予算頂けますの?化粧講座とか、ブティックの仕入れに対する補填とかも予算い頂けます?」
 やる気満々のTAKAは摂政の渡した資料を見ながら早速コンテストの準備に頭をシフトしたようで、ウキウキと摂政を質問攻めにする。なんだかんだでたけきの藩国は暇なのだ。滅亡カウントダウン等という状態だし、他所で戦争はやっているが正直戦力的に微妙なこの藩国がヒロイックに活躍する事もまずない。出陣したが何をする訳でもなく帰ってくることが多いので寧ろ藩国内でのイベント企画の方が皆で楽しめるのだ。
「予算はひわみんが決めるから交渉しといて。ゆみちゃんはヒーローショーOK?」
「はい。こっちは特別準備するのは音響と煙幕位なのでそんなに要らないと思いますが敵役は今回用にオリジナルで作っても構いませんか?後はショーをするメンバーと打ち合わせだけしたいので、あ、TAKAさん時間が空いてる時にこっちに顔出してください」
「りょうかいー!」
 ドラゴイエローであるTAKAとドラゴブルーであるひわみはある意味掛け持ちになるので基本的なショー設定はピンクのコダマ、ブラックのこんこ、レッドの砂神が取り仕切る事になる。あとは敵役要員と司会者を確保すればいいのでかなり楽な仕事となる。シナリオのストックは特撮マニアの連中がいつか披露する機会があるだろうと普段から書き溜めているものが山ほどあるので夏らしいシナリオを選んで…とコダマも既に仕事モードである。藩国内でおかぁちゃん的なポジションを確保するコダマは仕事は早いし柔軟性がある。ヒーローショーに関してはほぼ丸投げでも問題はないと摂政は判断したのだろう、コダマの言葉に短く、好きにしといてとだけ返答する。
「摂政!」
「みたんは心配性だなぁ。大丈夫!なるようにしかならないから!」
「みたんいうな!!!!!」
 満面の笑みでいい加減な事を言う摂政に素早く突っ込みを入れるとひわみはふぅっと溜息をついて電卓を取り出す。やると決まったからには全力を尽くす、それで駄目なら運がなかったがたけきの藩国のモットーである。ひわみも腹を括り仕事モードに渋々入る事にする。ここで仕事を断り、誰か別のメンバーが予算係りになって国庫を傾ける事は避けなければならない。寧ろそんな心配ばかりひわみがするので結局一番面倒な予算割り振りを年がら年中彼が引き受ける羽目になるのだ。ある意味損な性分である。
「やるからには儲けを出します。覚悟しておいてくださいね摂政」
「うお。何!?急にやる気モードかよ」
「当たり前です。良いですか?企画側も参加側も潤うイベントにしますからね、摂政死ぬ気で働いて頂きますよ」
 眼鏡を指で軽く持ち上げひわみは摂政を睨みつけると、書類を順番に確認してざっと予算の分配を脳内で計算する。準備期間を考えると今日中にはある程度の予算枠を割り振っておかないと既に仕事に動き出したメンバーに支障がでる。
「夕方にはある程度の形にしておきますから書類を取りに来てください。あと昼までに各リーダーから希望金額を申請するように伝達願います。もしも申請が遅れた場合は問答無用でこっちの予算枠で仕事してもらいますからしっかり伝えておいてくださいね摂政」
 厳しい口調でひわみが言うと摂政はOKOKと手を振りながら部屋を後にする。
「ひわみんやる気モードですわね!」
「ひわみんいうな!というかなんでその変なあだ名全然廃れないんですか」
 TAKAの賞賛の言葉にひわみはがっくり肩を落とすと早速自分の執務室へ向かうといい部屋を後にする。動き出すまでがぐだぐだと長いが動き出したら早いたけきの藩国の本領発揮の時である。

***

 恐ろしい事にたけきの藩国というのはネタへの食いつきが尋常ではない。そして互いに切磋琢磨してネタを更に上のモノに昇華させてしまう勢いとパワーがある。恐らくこの辺は藩王の本意ではないであろうがそんな事が大好きなメンバーが集まってしまったのだから仕方がない。はじめは本当に少人数で細々と活動していた藩国ではあるが現在は出仕も20人を越え、ネタを振れば誰かが食いつき、報酬やイベントに関係なく皆で楽しもうぜ!なノリで、華やかな戦争での活躍はないが、皆でワイワイ楽しくやっている。目下大いなる悩みは藩国滅亡フラグが立ちやすい事と、どういう訳か恋愛に関してありえないほど呪われてるぐらいである。とは言っても恋愛に関してはマイル坂転落中のごく一部の人間だけしか頭を悩ませていないのでその他大勢は頭を悩ませるメンバーを生温かく見守っているという実にお気楽極楽な状態である。
 この夏馬なんかを開発してみたり新たな技なんかを開発してみたりしたが燃費の悪さは解消されず焼け石に水。戦争での活躍はうん、次の機会で良いよね!今は目の前のイベント大事よね!と無駄にテンションを上げて怒涛の如く企画に参加する出仕組みを見て藩王は頭を抱える羽目になる訳だが、今更それこそ後の祭りである。目の前の事に全力投球で後先考えず呆然とするのは今までも何回もあったが何故か学習しない不思議な集団なのだ。

「すみません、参加者が全員野郎(+サル)だったんですが…」
「はぁ?」
 今回性別転換コンテストの自体の司会進行を藩王とする事になった梅本はエントリーリストを抱えて藩王の執務室を訪れた。締め切りまであとわずかとなったのでエントリー票を持って来いと藩王に言われたのだ。もしもエントリーが少なければ当初二郎真君と摂政が取り決めたように出仕組みから強制募集をかけねばならない。その手配をするか否かを判断するためであった。
 申し訳なさそうにエントリー票を差し出した梅本に思わず間抜けな返事をする羽目になった藩王は首を傾げながらその用紙をペラペラと捲る。そして机に突っ伏すると盛大に溜息をつく。
「全員出仕組みじゃないの。というか、皆仕事が異常に早いと思ったらこの準備をする為なわけ!?」
「みたいですねー」
 梅本もTAKAから司会進行を頼まれた時は驚いた。てっきりTAKAがその役目をするのだと思っていたのだが、彼も又エントリーするからと司会役は別に梅本に任せたのだ。それまでステージの飾りつけの仕事をしていた梅本は当日は仕事らしい仕事は見回りぐらいしかないという事で白羽の矢が立ったのであろう。藩国の半数の出仕組みは今回のコンテストにエントリーしてしまったので逆に当日の見回りの当番を再度見直さなければならないという事態になっていた。
「皆さん張り切ってるみたいですよ。でいだらのっぽさんの話だと、一般参加の方はエントリーはしませんけど、性別転換コスプレすれば屋台半額とかの施設利用無料とかの宣伝が効いてるみたいで、ブティックとか化粧講座とか大賑わいみたいです」
 TAKAと一緒にコンテスト準備をしていたでいだらのっぽはコンテストエントリーしないのでTAKAに宣伝係を任されている。ひわみが大々的にコンテストに予算を回したので屋台半額というかなり無茶な事まで出来たのだ。予算的にその割を食ったのはヒーローショーの方であるがこれに関しては逆に低予算ならではの舞台をやって見せるとチームが張り切って会場にやってくるちみっこ達の為に今も準備で奔走している。ないならないで今出来る最高の事をすればいいという貧乏根性丸出しな辺り、流石に藩王は長らく赤貧藩国をやっていた事に申し訳ない気分になる。本当はもう少し予算を割いても良かったのだがひわみが『ヒーローチームならあの予算で満足行く出し物をしますよ』と言い切ったので押し切られた形である。後で様子を見に行こうと藩王は考え、とりあえず強制募集の必要はなしという判断を梅本に伝える。
「呼ばれもしないのにこんなに集まるのは流石ですねー」
「馬鹿ばっかりね。まぁ、うちらしいけど」
 感心したような梅本の言葉に藩王は半ば呆れたように言う。多分水面下では壮絶なネタ合戦なんでしょうねと藩王が思わず呟くと、梅本が少しだけ笑ってエントリーの束を再度綺麗に束ね手に持った。
「それがですね。ホラ、段々乗ってきたってあるじゃないですか。ネタで笑いをとりに行こうとしてたけどいざ準備してみたら結構いけててマジで勝負にででるか…って人もいるみたいですよ」
「ええ!?」
 そりゃ無理だ。だってうちの藩国褌と靴下と眼鏡だけじゃんとりえ、と藩王は思わず心の中で突っ込みを入れる。本当に何も無い。美麗な美男子・美少女なんかいないし、ヒーローもヒロインもいない。過半数を変態が占める藩国が笑いを取らないでどうするのだよと思わずウワーという顔になる。言いだしっぺが摂政なんだからネタ祭りになると思いきや、ガチでこられたらそれはそれで困惑する。真面目にやってるのに困惑されるというのも悲しいが、本当に藩王にしてみればそれ以外の感想が浮かばなかったのだ。
「…まぁ、当日のコメント吹かないように頑張るよ。梅本も原稿草案頑張ってね」
「はい。それでは原稿の下書きが出来たら又お伺いします」
 エントリーがある程度出揃ったので梅本は漸くお仕事第二段に取り掛かれるという事だ。当日まで忙しいが、梅本にしてみれば憧れの藩王と一緒に仕事が出来る数少ない機会である。張り切って彼も祭りを盛り上げようとするだろう。

 通常業務がひと段落すると藩王はトコトコと祭り会場へ足を運んだ。大方準備が済んでおり、屋台などはほぼ仮組みが終わっておりテントを張るだけであるとか、資材の運び込みをしている状態である。順調すぎるほど順調に準備は進んでいる。
 そんな中、藩王を我が目を疑うブツを発見して慌てて走り出す。本来藩国の倉庫奥深くに眠っている筈のトモエリバーが何故か広間に鎮座していたのだ。しかもなにやら塗装や装甲の改造が見られ、その足元に人影を発見した藩王は思わず間抜けな声を上げる羽目になる。
「ゆみちゃーん。なにこれ」
「あ、藩王様。見てのとおりトモエ・ドラゴレンジャーバージョンです」
 胸を張って答えるコダマに藩王は気の利いた返答も出来ず口をあけて変わり果てたトモエの姿を見上げるしかなかった。そもそもたけきの藩国にはパイロットがいない。コパイはドラマジが能力を持っているがパイロットがいないので単独でトモエを出陣させる事もなく、買ったは良いが本当に埃をかぶっていたのだ。因みにケントもヤガミがパイロット能力を持っているので一応購入したが、そもそもヤガミが余り藩国にいないので今まで一度も使われたことがない。
「あ、心配しないで下さい。塗装とか装甲は後でちゃんと元に戻しますし、燃料ないのも知ってますのでショーには使いません。純粋に飾りです。ちみっこが喜ぶんですよねー」
「…燃料使わないなら良いけど、事故とか大丈夫?」
「ええ。先程みんなでガチガチに固定しましたし、電源すら入りませんよ。燃料も空ですしね。本当運んで綺麗に掃除するの大変だったんですよー」
 そう言いながらコダマは中断していた作業を再開した。なにやらマントを縫っているようだった。業者に発注すれば早いのだがコスト面で叶わずコダマが夜なべして戦闘員の服とか、幹部のマントとかを作成しているのだ。
「…間に合いそう?」
 流石に超家庭内手工業なヒーロー組みを目の当たりにして藩王は心配そうに聞く。するとコダマはええ、と笑顔で返答する。
「今回は敵の衣装楽ですからー」
「はい?」
 そういわれて藩王は変な顔をするが、コダマが取り出したものを見て仰天する。認めたくないが既に他国にも認知されているたけきの藩国の特産…褌であった。
「えええええええええ?」
「今回はですねー、世界忍者のオプションのコパンダに戦闘員をやってもらうんです。それで悪のコパンダにコレつけてもらうんです」
「いやいやいやいや!!!!マジで!?」
「ええ、予算ないんで。因みに幹部はこの黒メットに黒マント、褌に靴下で行きます」
「ぎゃ――――!!!摂政か!アイツか言い出したの!!!というか幹部もアイツがやるのか!!!」
「快く引き受けてくれましたよ。コンテストもあるのに頑張りますよねー」
 もう頭を抱えるしかない。寧ろ悪役が褌や靴下であることを喜ぶべきなのかも解らない藩王は涙目になりながらコダマの側で褌を試着するコパンダを見て膝をつく。
 コダマが言うにシナリオ的には悪のハンター軍団が夏場靴下を履かず下駄やサンダルを謳歌する人達に無理矢理靴下を履かせようと画策する話だそうだ。そしてヒーロー登場…というのが超大まかな流れ。誰が書いたシナリオか聞かなくても解るが、書いた人の弁によれば、使用済みの靴下がなければハンティングもままならないので靴下を履く人を増やすのもハンターの大事な仕事らしい。
 呆れて言葉も出ない藩王であるが、予算枠の中できるシナリオが限られていたに違いない。そう思うことにして取り合えず心に決着をつけることにした。
「…ガンバッテクダサイ」
「はい!」
 項垂れた藩王に満面の笑みでコダマは返事をすると又チクチクと針仕事を再開しようとするが、ぴたっと手を止め、藩王に言葉を発する。
「藩王様」
「何?」
「楽しいですね!」
「…馬鹿騒ぎばかりねうちの藩は。馬鹿ばっかりで楽しいわ」
 誰もが藩王が失意の中にいるのを知っていた。藩国の命運を握るヤガミは行方不明。責任を感じて藩王は各地を奔走してマイルをはたいて探しまくっているのだ。大体の当てはついたが乗り込むにも戦果の真っ只中で手も足も出ない状態で四文字熟語にするなれば四面楚歌である。でもまだ藩王が諦めないのは皆の為に藩国を守りたいと思ってくれているからだと誰もが知っている事であった。
 元々裕福な国でもないし、過去には焼け出され他国へ疎開した事もあった。けれど何とかギリギリ渡ってきたのだ。難民の受け入れだって容易ではなかったが、国庫をさいて治安を維持し、出来るだけの事はやった。今回の夏祭りも難民との交流や、藩国滅亡の噂を聞いて不安な国民へのプレゼントであった。
「私は貧乏でも、滅亡フラグ多くても、この国が好きですよ藩王様。だから楽しく行きましょ!」
 笑顔で藩王を送り出したコダマの言葉に思わず藩王は目頭が熱くなった。絶対に彼等は自分を責めることなんてしないし、いつだって馬鹿騒ぎしながらついてきてくれた。それがとても藩王にとっては支えになっていのだ。
「そうね。楽しく行きましょうか」
 そう言うと藩王はうんと背伸びをして執務室に戻った。まだ滅びる訳に行かないし、諦めるわけにも行かないのだ。

***

 祭り当日。思った以上に大盛況だったので藩王は執務室からポカーンと祭り会場を眺める羽目になった。しかもどういう訳か性別転換コスプレが大盛況で一般参加の半数以上がコスプレ参加という事態である。事前にブティックなどに衣装斡旋してもらったり、『TAKAの野郎の為のお化粧講座★』というインターネットでの広報もかなり効果があったということであろうか。サイトを開設したTAKAは化粧講座所か、スキンケア講座や小顔マッサージ講座等まで特設で作り、此処最近出仕組みの肌が艶々してて逆に睡眠不足でお肌ボロボロの藩王にとっては憎らしいぐらいである。
 ありえない…と呟きながら藩王はほてほてと執務室を後にすると祭り会場を見回ることにした。

 ほてほてと歩いていると人だかりが出来ているのでそちらに向かってみるとそこには先日藩国で開発した汗血馬の試乗コーナーがあった。ARを増やせるというI=Dが使用できない低物理領域ではかなり有利な馬であるし、なんといっては藩王でも乗れるようにちゃんと作ったのだから開発者は偉い。藩王は今度戦闘にでる事があれば乗ってみようとひそかにわくわくしていたのだ。
「あ、はんおーさまー」
 馬の側で手を振ったのは藩国のちみっこであろう。ねぶたのモデルになったりしているので国民も藩王の顔は良く知っている。その子供に手を振り返すと藩王は幸せな気分でその場を後にした。戦争兵器だって平和利用できる。戦争終わったら馬は農業用に転用したり、藩内の交通に使っても良いかもしれない、そんな事を考えながら藩王は屋台ブースへ移動する。
 そこで発見したのは今にもぶっ倒れそうな表情でヨロヨロと歩いている忍潮井レイラインであった。元々ドラッグマジシャンで顔色などはよくはないがそれでも酷い顔である。
「ちょっと忍潮井!?気分悪いの?」
「あ、藩王様…あの、摂政から聞いたんですが」
「何?」
 返事をしながら藩王はとりあえず彼をベンチに座らせて屋台で飲み物を購入すると右手に持たせる。
「このお祭りNWの祭りコンテストに出すって本当ですか?」
「ああ、ひわみたんが賞金もでるから予算のたしにしようって。入場者数とか、祭りの様子を記録してコンテストに出すし、審査員も一応来てるんじゃないなかな?」
 祭りコンテストの採点基準が解らないのでどれだけ点数が貰えるのか解らないが、まぁ、コレだけ盛況ならある程度の纏まった資金を稼げるはずである。現在戦争参加費だって馬鹿にならないのだ。
「そんな大規模な祭りだって知ってたらあんなアホ企画出しませんでしたよ!もう生きててごめんなさい!CO2大量に出してすみません!藩国の恥晒して申し訳ありません!腹切ります!」
「ええええ!?とりあえず落ち着きなさいって!」
 元々は藩国内で細々とやる企画だったのだが、後でNWの祭りコンテストの募集がかかったのでそっちにもエントリーしたのだ。藩国内だけの馬鹿騒ぎだと思っていた忍潮井にしてみれば寝耳に水だったに違いない。
「まぁ…なんというか…開き直れば?今更だし」
 そんな忍潮井をみて藩王は笑うしかない。きっと根が凄く真面目なのだろう。一番最初の見本ポスターに『優勝商品ジャガイモ3個』と書いていたぐらいだからその程度の祭りだと思っていたに違いない。
「…ですかね…ですよね…もうアレですよね。腹括ってクスリきめて、コンテストで優勝するしかないですよねー」
 元々ドラッグマジシャンなのでクスリ云々は問題ないが、コンテストで優勝などと思考の飛躍は明らかに脳内パンクしているとしか思えない。しかしそこまで言って何か吹っ切れたのか忍潮井はすくっと立ち上がると満面の笑みを藩王に向ける。
「とりあえずコンテスト準備してきます。今更ビビッても仕方ないですよね!もうネタ藩国ですし!」
「え!?ネタ藩国とか言わないでよ――――」
 ぶぅっと膨れる藩王の頭をポンポンと叩くと忍潮井は普段の虚弱な姿とは別人の様にしゃんとすると猛ダッシュでコンテスト控え室にかけてゆく。スイッチの切り替えが異常に早いのは彼のいいところなのだろう。
 取り残された藩王はとりあえずぐるりと会場を見回ってからコンテスト会場へ向かう事にした。司会を梅本とすることになっているのご飯を食べながら打ち合わせをするのだ。
「コンテストうまく行くかな――――。超心配だ」

***

 コンテスト会場へ到着した藩王はお弁当を片手にほてほてと司会者控え室に行く。扉を開けるとそこには最近姿を見なかった砂神がペットのサルに尻尾にリボンを結んでいた。
「あれ?参加者向こうじゃないの?」
「あ――――。混んでるのでこっちでマレスケのお着替えでござる」
 マレスケと呼ばれたサルはキキ!っと声を上げると藩王に挨拶する。
「梅本は?」
「さっき控え室に原稿の確認に行ったでござるよ」
 もう少しはやく来ればよかったなぁと思いながら藩王は弁当を広げもそもそと食べだす。
「砂神。3億ストックしてるから」
「ピドれと言う事でござるか」
 かなりの初期段階から藩王が確保しているピド予算。いずれ行き詰ると思われる砂神への思いやり予算と言われていたりする。
「まぁ、無理にとは言わないけどあること覚えておいて」
「感謝するでござるよ」
 マイル坂転落組のしんみりした空気のを引き裂くようにバンとドアが開き、梅本が飛び込んで来る。
「梅本?」
 扉を開いてその場から動かない彼を心配して藩王が声をかけると途端に梅本はゲラゲラと笑いだし、床に突っ伏する。
「あ、藩王様、もう、もうアレは駄目です、反則です。どんだけ僕腹筋鍛えれば良いんですか!?モモさんなんでお色直しまであるらしいですよ!皆張り切りすぎ!」
 控え室ので原稿の打ち合わせをしていた梅本は笑いを堪えるのに必死だったようで、此方に来てから笑いが止まらずヒーヒー言いながら藩王に原稿を渡す。
「あ――――下手にネタに走るよりガチで行ったほうが面白い時ってあるでござるよね」
「ちょちょ、私一回見てきて耐性つけた方が良いの!?」
「藩王様はリアルな反応を舞台で晒してください」
「え――――」
 梅本の問答無用の発言に藩王は困惑する。この梅本の反応を見る限り、舞台に奴等が登場した瞬間にふきだして原稿が読めなくなるかもしれない。そんな状態でいいのかと思いながら、藩王は梅本の準備した原稿を見る。そこにはそれぞれからヒヤリングしたアピールポイントなどが書いてあるがそれを読んでるだけで笑えたので実物はもっと破壊力があるのだろうと思うと正直ぞっとした。一応ビフォー・アフターがわかりやすいように参加者の平常時のパネルなど準備はしたが、本当どうなるのか藩王自体も解らない。会場が爆笑の渦に包まれれば成功なのか、拍手の波がやってきたら成功なのか判断しづらい。
「とりあえずお弁当食べながら打ち合わせしましょう藩王様」
「凄く不安になってきた…」

 

***

 祭りの後。砂神はサルのマレスケをつれてゆっくりと会場内を歩いていた。撤去作業もほぼ完了し、いつもの静けさを取り戻しかけている。
 コンテストは常に女装している為にインパクトにかけるかと思われたTAKAが優勝し、他のメンバーも大いに会場内を沸かせてくれた。多分どこから見ても大成功の祭りとなったであろう。
「楽しかったでござるかマレスケ」
「キキ!」
 肩の上で飛び跳ねたマレスケは嬉しそうに尻尾を揺らして返事をする。
「コレで終りは流石に勿体無いでござるね」

――――戦争はまだ終わってない。
――――ヤガミもまだ死んでない。
――――心は折れてない。

「藩王様がんばれ」
 そう呟くと砂神は視界に広がる夕焼けを眺めながらマレスケと共に日常における非日常へ帰ってゆくことにした。


>>あとがき

NWの夏投稿用。藩国で開催された祭りの様子を書かせて頂きました。
祭り会場は此方。
*イベント124 平穏すぎて涙出る お祭りページ*

20080828 砂神