■映画・相棒
とりあえずTVシリーズ見てる人間前提の話の作りなので、登場人物の設定を知らないと余り楽しくないかと。寧ろ見ている人間は細々したTV版登場人物の再登場とか、小野田ちゃんの回転すしネタとかニヤニヤが止まらない楽しい話だと思います。
ストーリーに関してはヒューマンドラマな展開は非常に良かったのですが、謎解きとそちらとどっちかに重点を置いた方が良いんじゃないかと。元々相棒は刑事モノであって、推理モノじゃないのでヒューマーンドラマに重点を置いた方がいいとは個人的に思いますがね。
登場人物の演技は無論TVシリーズからキャスト引継ぎなので問題ありませんし、ゲストキャラなんかも演技非常に安定してて良かったです。実行犯も主犯もあまりの素晴らしい演技にこっちが思いっきりのめりこんでしまいました。
さて、
今回ですね、実行犯と主犯がいたわけですが、実行犯が右京さんとチェスに絡めて色々とやり取りをしたりヒントを残したりしながら前半部分が進むんですが(殺人現場にチェスの棋譜を残すとかそんなの)色々ご都合主義な所もありましたが(笑)一番眞鉄っちと気になったのが『何故実行犯は警察にヒントを残したのか』と言う事。無論主犯の一番の狙いは連続殺人や東京マラソンでの凶行の先にあるのですが、ヒントを残して右京さんや亀ちゃんを誘導する理由が解らなかった。まぁ、愉快犯で右京さんとの知恵比べというのなら解りますがそんなベクトルの犯罪じゃないのは主犯が判明した時点で解りますし、宿泊した眞鉄っちと並べた布団の中でその理由についてあれこれ論議してみたんですがね(そして拙者のとんでも説などを聞いて眞鉄っち爆笑とかショッパイ思い出を作る)
まぁ、以下は拙者の妄想ですが。眞鉄っちが帰って旦那のアニメ見てるときに思いついたんですが。
実行犯である男がチェスの棋譜を現場に残したり、右京さんとチェスをしてヒントを残してマラソンを狙っていると教えたり、自らマラソンに登録して警察を派手に翻弄したのは、主犯が最後に開会式で犯行を実行する為のフェイク。
つまり、大掛かりに警察を動かして、マラソンが開催中に実行犯である彼が死亡する。普通ならですね、実行犯死亡で事件解決!的な流れになるのですよ警察内では。油断する訳ですね。この時点まで実行犯は猟奇的な愉快犯であるという印象をずっと警察に抱かせていた訳で、まぁ、こんな犯罪者に共犯とかは意外と思いつかない。だから態々マラソンに登録して顔まで晒している訳ですな。
その時点で主犯はノーマークなんですよね。
実際右京さんは実行犯自決の工場でとあるモノを発見して別に犯人がいると判断した訳で(それを見てない亀ちゃんなんかは意味も解らず右京さんに連れられ工場を出てる訳で本部や伊丹なんかは夢にも気がつかないのです)
マラソン閉会式の時点で主犯をノーマークにする為のフェイクな感じ。無論右京さんは気がつきとり抑える訳ですが、まぁ、右京さんが気がつかなくても閉会式で会場に乱入して最終的につかまるのが主犯の目的だったのでこの辺が微妙といえば微妙ですが、恐らくTV中継などされてる大きな大会で大々的につかまって裁判を大きくするという目的があったと思えばまぁ、いささか強引ではあるがありかなと。ただ、別に実行犯の注目集めなしで普通に乱入してもいいかなぁという気もするので本当強引な解釈ですが。何で視聴者が辻褄合わせに頭を悩ませねばならないかとか思わず突っ込みたくなりますがね(笑)
まあ、そんな感じで始めの実行犯との追いかけっこなんかは映画的に派手さを出すための演出と言う事で割り切って、ヒューマンドラマに涙して下さい。ほんとうもっとこっちを重点的に出して欲しかったなぁ。あんなちょっとのエピソードで泣けたんだからもっと全面に押し出せば(例えば主犯と実行犯の会話とか入れる。実はこの二人同じ画面に一度も出てない・笑)まぁ、それはそれで号泣して涙で前が見えなくなって困るとは思うが、TVシリーズで時事ネタとかを割りと上手に取り入れて話を作ってる相棒らしい話の展開になったんじゃないかと思います。
え?面白かったです。大満足です。文句や妄想を垂れ流しておいてなんですが、相棒のTVシリーズや映画事前宣伝で相棒のいろはを知ってる方は是非見てください。
■映画・ミスト
実は何も知らずに見に行きました。眞鉄っちがもしも同じ映画館でやってて時間的にOKなら見たいと珍しく自己主張してきたので相棒の後の時間の分をチケット押さえて見に行きました。
キングの作品らしいのですが原作読んでません。ただグリーンマイルのコンビで映画作ってるという話は聞いたのでまぁ、絶望的に駄目って事はないだろうと…。ただ、拙者メリケンのパニック映画とは基本的に相性が悪い。なんというか、オチがないのがイライラする。旦那は好きなので良く見てらっしゃるんですが、説明不足(そもそも細かい説明があればパニック映画として成り立たないのは重々承知してるのですが・笑)で話がガンガン進むのを見て全力で置いていかれる。何でアレがこうなのか気になって話しにのめりこめないなんかザラなんで正直期待はせずに見ましてね。1000円だし(笑)
まぁ、とりあえずアレだ。
スライディング土下座で謝ります。すげー面白かった(笑)
シナリオ的には謎の霧に突如包まれスーパーマーケットに取り残された人々の閉鎖空間の中での恐怖と狂気。虫系クリーチャー・パニック・スプラッタを詰め込んだホラー作品。みたいな。虫駄目な人は止めたほうが良い。精神的に来ます(笑)
都市機能が停止した中で何が正常で何が異常かの判断が出来なくなり、徐々に方向性のおかしくなる烏合の衆とか、まぁ、ありがちだが宗教的な集団狂気とか、もうじりじり主人公が追い詰められていく様が精神的にクル。実にイイ。
ただ宗教に関して言うなれば日本人になじみが薄い感じなので(キリスト経ではなくユダヤ教)ちょっと違和感はあるかもしれない。仏教徒の日本人の集団だったらどんな話になるのか拙者大真面目に映画が終わった後に考えて見たりもしたんですが、まぁ、人の集団を取りまとめるのが政治か宗教と(映画内で)言ってたのはアレ見たら納得ですよ。都市機能がなけりゃ宗教が強いわな。
他にもスーパーで全力でうだつが上がらなさそうな中間管理職っぽいオッサンが実は射撃の名手で撃った弾一発も外してないとか(笑)よわよわのばぁちゃんが実に冷静に噴射剤に火をつけて虫を撃退するとか(良い子は真似しないで下さい的な使用方法・笑)結構細々したところも良い感じ。
そしてなんと言っても原作と違うといわれる最後のどんでん返し。
コレは驚愕した。
つーか、パニック映画でちゃんとすっきりオチつけてるのに驚愕。初めてだ。最後の15分は必見です。逆に原作のオチがどんなのか気になりましたが、キングはもしもこのオチを執筆中に思いついたらそっちで書いたといわれる驚愕の展開。
ホラーOKな方は是非。私が初めて面白いと思ったホラー・パニック映画です。