■鬼切り夜鳥子2 京都ミステリーツアー*著・枡田省治
昨年7月に発行された『鬼切り夜鳥子』の続編でございます。
今回は作者の珍しい試みとしてMIXIのコミュ『鬼切り夜鳥子2製作委員会』で小出しに原稿をUPし、委員会の方があれこれ意見を出す→修正→再度UPという形で作られた作品です。因みに私関西圏なのでこのコミュに立候補したかったんですが、もっと京都に詳しい方が立候補するだろうと結局立候補すら出来なかったんですよねorz
さて、上記の試みによって出来た作品ですが、前作に比べて格段に読みやすくなっております。前作の感想で初期の海法氏の文章に似てると書いたんですが、今回はキャラ、状況説明の文等随分書き込み増え、文章の感じも変わり前作が1週間、今回が2泊3日という作中期間が半分以下になってるのに本の分厚さは倍になっております。
小説の文章っていうのは非常に癖が出やすく、変えようと思っても中々変えられるものじゃないと(私は)思ってるんで、正直驚愕しました。ご本人が言うには小説の書き方良くわかっってないとの事ですが、前作が『ゲーム企画延長上の小説』であったが、今回は十分『読み物としての小説』に進化してると思います。
話は京都を舞台に鬼切りをするという話なんですが、前回が良く言えば『お約束』悪く言えば『ワンパターン』な作戦会議→鬼登場、逃げる→鬼退治の流れを、1週間続けた訳ですが(鬼の種類は毎回違うし、作戦も色々だったので飽きは来ない)今回は期間が短い事もあって、最終戦に向けて色々と作戦を練る過程(中にはミニバトル有り)に重点を置いてるようなのでキャラの個性が非常に出てて楽しめました。
鬼や陰陽道関係で京都といえばベタなんですが、その辺の知識がない方用に委員長の作った冊子(修学旅行用)や夜鳥子の実体験談が簡単な説明の役割を果たしてくれたりと相変わらずの親切仕様。
冒頭には前作を読んでない方の為に簡単な説明などがあり、2巻からでも読めると思います。
前作で眼鏡をかけてなかったのに読者から勝手に委員長は眼鏡仕様という認識が見受けられ、結局眼鏡になった委員長には正直大うけしました(笑)人気があるのか今回委員長大活躍及び前作でお色気担当は駒子だったのにお色気担当と大忙しですね。キャラの書き込みが増えた分、非常に個性も確立されて感情移入しやすいですね今回は。
アクションは相変わらず派手ですし、式神も大活躍でスカッとしますよ。(文化財大破は仰け反りましたが・笑)
難点というか、まぁ、この辺は個人の好みなんですが、視点の切り替えが多くて乗り切れない感は少しありました。ちゃんと視点切り替えの時は小区切りが入るので、切り替え自体に違和感はないのですが、こうガーと読みたいのにアレアレこっち?と上がったテンションのやり場に困ってみたりする。続きが気になるようにする仕様…って感じなのかも知れませんが、こんな感じの構成の作品余り読んだ事ないので戸惑ってるだけかも…。
非常に楽しめました。分厚いですが非常に読みやすいのでお勧めです。
評価★★★★☆
個人的にあの後委員長と天狗が仲良くなれたのか気になる(笑)とか、夜鳥子の血族って俺屍の流れなんじゃないかと邪推。俺屍2出ないかなぁ。