拝啓 先生へ

 桜花の候、春欄漫の好季節を迎えました。
 最近忙しくてお会いできませんが、変わらずお過ごしでしょうか。
 三味線の稽古も飛び飛びになってしまって申し訳ありません。仕事のほうが落ち着きましたら、必ずお伺いしようと思っています。

 堅苦しい挨拶はこの辺にしておきますね。
 折角の花見の季節だというのに、一緒に桜を眺めることができないのがとても残念です。来年は一緒に見れたらいいなと思っています。去年は夜桜を一緒に眺めましたね。先生の弾いてくれた三味線も、一緒に飲んだお酒も本当に楽しかったです。いつか、高杉には敵わないですが、先生の三味線と合わせられたらな、と思いました。その為にはまだまだ練習が足りないとは思いますが、頑張っています。

 三味線も仕事のために始めたものですが、今は仕事抜きでも楽しいと思うし、続けたいと思っています。先生の音には到底届きませんが、先生が俺の音を好きだと言ってくれたので、俺なりに上達したいなと。
 先生に釣り合わない弟子なんじゃないかと思い悩む事も正直ありますが、先生が俺のことをいつも愛弟子だと言ってくれるのがとても嬉しいです。
 弟子としても、一人の人間としても、俺のことをいつも好きだと言ってくれて有難うございます。俺も先生の事大好きです。一生懸命先生の後について走っていくつもりですので、よろしくおねがいします。

 ちょっと変な方向に話がいっちゃいましたね。
 まだ日によっては肌寒い日もありますので、お体に気をつけて下さい。
 次に会える日を楽しみにしています。

敬具

山崎退

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